干支九星術のお話

望月治先生の広められた干支九星のあれこれを、沙門慶仁がお話しいたします。干支九星術 沙門室(月恩会)参照のこと。

文字文化

 干支九星術の元は、言うまでもなく中国からです。
 その思想が入ってきたときには、漢字で入ってきており、現在でも私たちは辞書を片手に本文を読むことができます。
 思想というのは、その言葉とともに入って参ります。
 ですからどうしても、漢字文化圏に生活する人間は、中国が気になります。
 その思想が日本に入ってきて、相当な変化を遂げていることは、皆さんがご存じのことです。
 ですからもう中国の原典は、気にしなくてはいいのではないかと考えがちです。
 しかい、元に中国語に当たることが、どうしても必要になります。
 その時に必要なのが、言うまでもなく漢字であり、この漢字の勉強も、本当は必要なのかもしれません。
 そして、漢字を見ておりますと、干支九星についても今までにない世界が広がります。

事象を覚える

 1白から9紫まで、九星の事象は多数あります。
 そのすべての事象を覚えればいいかというと、そうではありません。
 その事象が出てきた、本来の意味を理解すればいいのです。
 例えば、コマが回るの「回る」という事象を考えてみましょう。
 同じ場所にいながら、ぐるぐる回転していますが、同じ場所にいるというよりも、回転するという方に着目します。
 そこに、天体が運行するという姿を思い出し、天体が運行するのは6白の事象であるということを思い出します。
 そうすると、コマが回るのも6白であるということです。
 そこから、家を訪問して回るというのも6白であるという連想がでてきます。
 もとの意味を、時々表にして覚えておいて、いつでお思い出せるようにしていることが大切です。

干支九星は知られていない

 同じ九星を使うのでも、気学というのはよく知られています。
 干支という言葉にしても、今年は子年として知られています。
 しかしその二つがくっついて、干支九星という名前になっているというのを、ほとんどの人は知らないでしょう。
 ですから、タロットカードで占いをしてもらう、というのは理解できても、干支九星で占いをしてもらうという発想はなかなかないでしょう。
 そういう点では、私たちの努力が少ないということを意味しているのですが、それにしても、圧倒的に知っている人が少ないのは事実です。
 そもそも気学にしても、方位術として使用される方は多いですが、鑑定のアイテムとして考える人はそう多くありません。
 干支九星というのは、鑑定にしても方位にしても、高度な精度を誇っていることが、私たちの誇りなのです。

事務所の方位

 人間の引っ越しの場合には、その住人がどう影響されるかをみますので、それほど難しくはありません。
 それに対して、事務所や自営の方の職場を移転するときに、どうもその方角を忘れがちです。
 事務所が移るのですから、事務所の命にとっての方位を考えますが、これはあってないようなものです。
 そこで借主の本命が移転すると考えたいと思っています。
 ですから主人の命からみて、よい方角でるべきです。
 そして人間の引っ越しと同じように、九星だけでなく、十二支も考慮すべきです。
 この時期だからこそ、よい方角を使って生き抜いて参りましょう。

この世界以外の人とつきあう

 私たちは、干支九星を含めた、占い、占術の世界で生きています。
 当然ですが、この世界だけにおりますと人生を間違います。
 全世界で、この世界のことを知りたい、信じている、面白そうだ、と思っている人はごく少数です。
 その中で、井の中の蛙になったところで、何の意味もありません。
 むしろ占術そのものが、狂う場合もあるでしょう。
 占術から世間を見るのではなくて、世間から占術をみる意識を、いつも持っていたいものです。
 ですからこの世界にいることを隠して、一般の人と普通にお付き合いすることも大切です。
 といいますのは、この世界を頭から信じる人には星の特徴があって、それも人口のほんの一部分にしか過ぎないのです。

行動と運勢

 ある会社にお邪魔いたしました。
 そうすると、そこの社長さんが、意味もなくふらふらしています。
 もう少し落ち着いていればいいのに、と思いつつも、まだふらふら動いています。
 何か急用でもあるのかと思いましたが、そうではなさそうです。
 そうしていないと気が済まないという感じです。
 そこの会社、大きなグループ会社なのですが、そこでは次から次へと社長が変わっています。
 その人の行動自体が、その人の運勢を示しているというようなものです。
 人相というのは、別に顔を見るだけが仕事ではありません。

遺伝する星の計算

 親は子に似ている、と一般的に言われます。
 ではそれを星で見ることはできるのでしょうか。
 拝見いたしますと、不思議に似た星が遺伝しているのがわかります。
 それは同じ九星があるとか、干支があるからというのではありません。
 この世に生まれて、宿題をもって生まれてくるという考え方が正しければ、その宿題が同じことがあります。
 それから考えますと、誰が父の星を、誰が母の星を遺伝して持っているかを判断できます。
 あるいは、隔世遺伝として星が遺伝されることもわかります。
 干支九星は、ある意味で恐ろしい術なのです。