干支九星術のお話

望月治先生の広められた干支九星のあれこれを、沙門慶仁がお話しいたします。干支九星術 沙門室(月恩会)参照のこと。

原理と応用

 基本は何より大切ですから、まず原理原則を勉強します。
 それなくして、先には進めません。
 さてその原則を使って、実際にあてはめてみますと様々な疑問が出て参ります。
 そこを突破するには、その道のプロにお聞きするのが一番ですが、そういう人がいない場合には、例えば本しかない場合などは、個人で苦労して確認しなくてはなりません。
 例えば魔法陣を使うような場合には、私たちの知っている九星そのままでいいのか、などの疑問が出て参ります。
 自分で確認せずに、お客様にやってもらうわけにはいきません。
 ですから実際に、先輩が指導されている場面に立ち会って理解するのが、一番の早道です。
 そしてこの確認作業こそが、その流派の根本になるわけです。

同盤の難しさ

 九星でも干支でも、同じものが続く場合には同盤になりますが、これは簡単には考えられません。
 単純化されるので、方位を取りやすいという考えもありますが、疑問が残ります。
 その場合には、裏盤が出てくるからです。
 例えば、生年月が4緑4緑だとしますと、普通は傾斜が取れません。
 それで裏盤を使用します。
 方位も同様に、裏盤を考えるべきですが、裏盤を秘伝とされる先生方も多く、実際何が正しいのか判別が難しいです。
 また九星の同盤だけでなく、干支にも同盤があります。
 例えば酉月には、今年ですと酉日が二回あったと思いますが、どんな事象だったでしょうか。
 運転や外出するにも、何となく動きにくい、違和感があったのではないかと思います。
 これが同盤の怖さです。

小時刻について

 鑑定盤を立てる場合には、時間盤は刻を利用しますので、二時間が単位となります。
 そうしますと、同じお客さんが質問する場合に、同じような答えになってしまいます。
 そのために、小時刻盤というのものがあります。
 これは十分単位で鑑定盤を、時間盤のその下に記すものです。
 ですから、話をしてて十分経過すますと、次の盤になるわけです。
 これは非常に便利なもので、使用することができます。
 その盤の作成方法は、先生に本に書かれています。
 そして、十分まで攻めていきますので、地方時間を考慮します。
 ですから、経度計算をしてその土地の時間に合わせて盤を立てます。
 鑑定する時には、これを考慮しますと、細かい話ができて判断も一辺倒でなくなります。

霊感か鑑定盤か

 先生は、特別でおいででしたので、質問と同時に答えがお分かりになっておられることも多かったように思います。
 しかしそういう場合でも、必ず鑑定盤を書いておられました。
 鑑定盤という客観性が、霊感にも必要と思われていたからでしょう。
 ですから逆に、鑑定盤があれば、霊感でわかるようにわかるはずだというお考えもあったようです。
 そういうことから、干支九星「学」にこだわられました。
 学として、誰にでも判断できるようなものにされたかったのだと思います。
 ご自分のは干支九星「術」であっても、学として確立されようとされました。
 しかしながら我々は、少なくとも自分は、先生のようにはいきませんので、学を通じて術にたどり着く意向を持つべきだと考えます。

ネットと占い

 ネットができてから、占いの環境も変わったと思われます。
 隅々まで利用しているというより、ほんのごく一部分しか利用していませんので、大きなことは言えませんが、変わってきたのを感じます。
 まず面と向かって話をするのでなくて、情報のやり取りがありますので、この点は危険性を感じます。
 日常生活で話ができれば、微妙なニュアンスも伝わりますが、文字だけだとそうは行きません。
 動画なら違うかもしれませんので、そちらに全体が移行していけば状況も変わるでしょう。
 鑑定でメールやズームなどを利用しないのも、その辺が原因です。
 ズームもいいのですが、面会よりもエネルギーを使うので、不可にしております。
 こちらも、もっとリアルなものになれば利用できるようになるかもしれませんが、まだこちらの力不足です。

街を歩いて

 過日、所用がありまして横浜の中華街へ参りました。
 何十年ぶりでしたが、すごい人出でした。
 かつ、聞いてはおりましたが、占いのお店が多いことにも驚きました。
 お店が多いとなりますと、そこで競争が生まれ、お客さんを取ろうとして、呼び込みが始まります。
 今回は、占いが目的ではありませんでしたのでどちらのお店にも行きませんでしたが、その呼び込みさんの言葉に驚いたのです。
 おそらく日本の方でない方が、「占いどうですか、面白いよ」と口々に言ってくるのです。
 占いが面白いから見てもらう、という発想が、一番お客さんなりの心に響くのでそういう言葉になったのでしょう。
 占いは面白い部分も確かにありますが、鑑定はむしろきついものです。
 何といいますか今回、大きな違和感を感じました。

どんな本の部分でも

 先生はたくさんの本を残されましたが、多くは講義を筆録したものです。
 その講義録も、ご自分の言葉遣いが嫌いだということで、読み返されることはあまりなかったと思います。
 ですが私たちが手に入れられるほとんどが、これらの本です。
 その本のどの部分であっても、自分の勉強会では、ご質問を受け付けます、と公言しています。
 とはいえ理解が難しいのか、質問の数は少ないです。
 もちろんことらも全部理解しているわけではございませんが、少しはお役に立てるのではないかと思っています。
 あと自分のすべき義務があるとするならば、その本の内容を活用した実践、実占です。
 そしてもし残すものがあるとすれば、その実占録です。