この度、若井朝彦様より、水野南北に関する二冊目の御著書『江戸の少食思想に学ぶ 水野南北『修身録』解題』(小学館新書)をご恵贈いただきました。
前著同様、南北の『修身録』を深く解説されておられます。
食文化という言葉がありますように、人間は食を文化までに引き上げましたが、江戸時代、食の種類と量によって運命を変えられると説明した南北は偉大です。
大食は自分の運を損ない、少食により徳が養われる、というのを主旨としてよろしいのでしょう。
現代で運の悪い人は、耳を傾けるべき思想だと存じます。
自分も一時、悪方位を使ったときに少食で作用が消えるかと思ってやってみたことがあります。
体は悪くしましたが、確かに手ごたえはありました。
干支九星による日筮
干支九星で、この日に何が起きやすいかを説明することができます。
何座生まれよりも、ずっと確率は高くなるでしょう。
しかしながら、考えてみていただきたいのは、毎日そんなに激動の毎日を送っているわけではありません。
激しい日ならば、特徴的な星が出るでしょう。
しかし私たちの日常で、劇的な変化というはそうあるものではありません。
これは干支九星だけではなくて、他の占術を使用しても同じような結果になるものと思われます。
毎日、日筮を立てられている方もおらるようですが、おそらく言おうとしていることはご理解いただけるでしょう。
ですから、本当に実力をつけるのは、お客様の問題に対するときなのです。
改めて考え直すこと
干支九星ならば、その盤を立ててお客様にお話申し上げる。
とても大切な基本中の基本ですが、今思っているのは、相手様への影響です。
お茶を飲んで話すように話しても、わかっているのかどうか。
頭でわかってくれたとして、どれだけのことをしてくれるのか。
何度話しても無理な人もいます。
結局自分は、相手をよくしてあげてないのではないか。
いっそ、宗教観だけを話せばいいのではないか。
業が深い場合には、特に痛感します。
対面であっても難しいのに、オンラインは当分無理です。
かつ自分自身が成長しないといけません。
そうなると、易はあくまでも手段の一つです。
深い気づきに行けない業が、結局はその人を元に戻してしまいます。
体調管理も必要
鑑定の場合には、鑑定する者の力がお客様に作用します。
それは、見える形であれ、見えない形であれそうであり、むしろ見えない方の影響が大きいものです。
話していることがわからなくても、後ろが理解していることもあり、口ではわかっていますと言っても、後ろが納得していないと結果が出ません。
これは事実そうであるので、私たちがすべきことは、この後ろまで動かす力を養うべきであり、先生に多くの方が鑑定をお願いされていたのはこの点にあると思います。
ですから鑑定には気合がいるのであって、一日に何人も鑑定はできないものです。
干支九星はお客の次元を変えるわけですので、それなりの体調準備が必要です。
数字の発想
九星でいう場合に、1白は水星なので水の1か6でとる、とします。
1白の1だから1とういのではありません。
たまたま1が重なっていますが、九星の数字をそのまま使用することは少ないです。
全くないかというとそうではありませんが、少ないです。
では逆に、世間であふれている数字をどのように取るべきなのか。
例えば6を6白と取るべきなのか、それとも1白と取るべきなのか。
あるいは、全く違った発想を導入して解決すべきなのか。
そこで考え出されたのが、あるいは伝わってきたのが裏盤です。
これがわかりますと、文字通り裏を見るのに便利です。
これは先生の本に書かれております。
ギリギリの質問
鑑定をさせていただいておりますときに、急な質問が来ることがあります。
急と言うと違いますね、思いもしない質問です。
しかしそれらにも、当然対応しなくてはなりません。
全くわからないことでしたら、わかりませんというようには心がけております。
当たり前です。
ただ不思議に、自分がようやく身に着けたことを質問されることが多いのです。
よく、自分の実力の少し上の力を必要とするお客が来るといいますが、まさにそんな感じです。
これは鑑定の不思議の一つです。
ですから日常の勉強も、何に役立つかもしれず、手を抜けないのです。