鑑定の場合には、鑑定する者の力がお客様に作用します。
それは、見える形であれ、見えない形であれそうであり、むしろ見えない方の影響が大きいものです。
話していることがわからなくても、後ろが理解していることもあり、口ではわかっていますと言っても、後ろが納得していないと結果が出ません。
これは事実そうであるので、私たちがすべきことは、この後ろまで動かす力を養うべきであり、先生に多くの方が鑑定をお願いされていたのはこの点にあると思います。
ですから鑑定には気合がいるのであって、一日に何人も鑑定はできないものです。
干支九星はお客の次元を変えるわけですので、それなりの体調準備が必要です。
数字の発想
九星でいう場合に、1白は水星なので水の1か6でとる、とします。
1白の1だから1とういのではありません。
たまたま1が重なっていますが、九星の数字をそのまま使用することは少ないです。
全くないかというとそうではありませんが、少ないです。
では逆に、世間であふれている数字をどのように取るべきなのか。
例えば6を6白と取るべきなのか、それとも1白と取るべきなのか。
あるいは、全く違った発想を導入して解決すべきなのか。
そこで考え出されたのが、あるいは伝わってきたのが裏盤です。
これがわかりますと、文字通り裏を見るのに便利です。
これは先生の本に書かれております。
ギリギリの質問
鑑定をさせていただいておりますときに、急な質問が来ることがあります。
急と言うと違いますね、思いもしない質問です。
しかしそれらにも、当然対応しなくてはなりません。
全くわからないことでしたら、わかりませんというようには心がけております。
当たり前です。
ただ不思議に、自分がようやく身に着けたことを質問されることが多いのです。
よく、自分の実力の少し上の力を必要とするお客が来るといいますが、まさにそんな感じです。
これは鑑定の不思議の一つです。
ですから日常の勉強も、何に役立つかもしれず、手を抜けないのです。
日常会話の中で
先生がご存命のときのことを思い出しますに、お客さんというだけではなくて、普通の方と話をされているときも、開運させられるように話されておられていたことでした。
鑑定となると、文字を書いたり、頭で考えたりするものですが、ほんの日常会話の中にもヒントが多くありました。
ある意味でそれは当然のことで、だからこそいざという時にも力を出すことができるのでしょう。
もしそれを我々が踏襲することと考えるならば、日常会話のスピードで、判断というより話が出て来なくてはなりません。
それは訓練でもありますが、また違った要素であるようにも思います。
いろいろな意味で、ともかく大きな先生でした。
天なるものとは
人事を尽くして天命を待つ、という言葉があります。
これはその通りであって、まず自分が人間としてできることを最大限すべきなのは当然です。
とはいえ、天命を待つだけではなくて、こちらから天命のお伺いを立てたくなることもあります。
果たして天の心はどこにあるのか、どういう結末になるのか、どうすべきか。
では次に、天とは何かということになりますが、仮に天を易神としますと、教えていただけることはあっても、働きかけはしてくれません。
人間世界に働きかけてくださる天なるものは、また別のものと考えられます。
一番身近で影響力を持たれるのは、ご先祖であるといわれています。
ではその先祖様はどうなのか、と次から次へと疑問が出て参ります。
刀尋段々壊
観音経の一節に「刀尋段々壊」というくだりがあります。
観音様におすがりすれば、敵が刀で襲ってきても、刀が壊れてしまうという意味です。
一番有名なのは、日蓮上人が龍ノ口で首を切られそうになったときに、江の島の方から光がやって来て刀が壊れて首をはねられなかったというお話でしょう。
同じように、お客さんから聞いた話です。
夫婦の夫の方がDVで、ある時に包丁で奥さんの太ももを刺そうとしたのだそうです。
そうしたら当たったけど、曲がるのではなくて、折れたと。
しかも、二つに折れたのではなくて粉々に砕けたのだと。
これこそ「段々」の文章と一致します。
さすがの旦那さんも、気味悪がってやめたということでした。
仏典には嘘は書いてない、ということなのでしょう。
破れは7つ目
物事が進んでいくのを説明するのに、いろいろな思想があります。
東洋的にいいますと、何事かが生じて、維持されて、変化して、亡んでいくという説が有力です。
他の説があったとしても、この説のバリエーションでしょう。
ではいつそうなるのか。
これこそを解明するのが、様々な占いです。
いろいろの説がありますが、私たちの十二支の思想を使いますと、七つ目の破れに悪くなるとします。
十二支を循環として考えるならば、ちょうど反対側になるわけです。
別に干支九星でなくても、これは利用範囲が広いもので、何事かに問題が起きやすいのは7つ目が多いです。
そんな事柄を入り口にしますと、東洋の思想に入りやすくなるでしょう。