干支九星術のお話

望月治先生の広められた干支九星のあれこれを、沙門慶仁がお話しいたします。干支九星術 沙門室(月恩会)参照のこと。

解釈する者によって違うこと

 易でも九星でも、同じ卦や盤を見ながら、解釈が変わることがあります。
 徳川家康の祖父松平清康は、夢に「是」という文字をつかんでいたというのですが、それをお抱えの占い師に解釈を命じました。
 すると「是という字は分解すると、<日>と<下>と<人>という字に分けられる。だから日=天なので天下人が子孫に出るだろう」といったといいます。
 そして孫の家康が天下を統一し徳川幕府を作りました。
 しかしここで、なぜ清康自身が天下人となると解釈しなかったのか、疑問が残ります。
 さらに解釈にしても、例えば、の話ですが「是の左に土を付けると堤になる。堤になる土がないのだから、治山治水で問題が起きる」という解釈だってできたはずです。
 この同じ卦や盤を見て、可能な違った解釈を排除して、正しい解釈をする、それこそが易者や占い師の腕なのだと思います。